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IoTプラットフォーム

Argoculusの機能と特徴 (その2)

Argoculusニュース

サイエンス ソリューションズ株式会社は、AWS(Amazon Web Srevices)のテクノロジーパートナー(スタンダード)に認定されました。 現在、IoTプラットフォーム Argoculus ならびにナレッジマネージメントシステム AthenaNet をAWSにてご利用いただけます。

Argoculusの機能と特徴

今回より数回にわたり、IoTデバイスをArgoculusを用いてインターネットに接続する方法について紹介します。IoTデバイスの基本構成要素は次の3つです。
1) センサー
2) 出力デバイス
3) コンピュータ(マイコン、シングルボードコンピュータなど)

センサーは、デバイスの周囲の状況や、デバイスに対する操作などの情報を取り込むための要素です。 温度や湿度、振動、明るさ、電流、電圧、変形、ひずみ、荷重などいろいろな物理量を計測するセンサーがあります。 IoTデバイス自身に対する操作なども、最終的は電圧信号などに変換され取り込まれます。 これらのセンサー信号は、電圧や電流のアナログ信号として出力されるものから、固有のフォーマットを持つデジタル信号として出力されるものなどいろいろな種類が存在します。 一番シンプルなIoTデバイスは、センサーそのものでしょう。すなわちセンサー信号をインターネットに送信するデバイスです。

出力デバイスとは、例えばディスプレイ、LED照明、駆動を制御するためのアクチュエータなどです。 例えば、遠隔で機械装置の動作を監視する際、異常を検知したら警報ランプを点灯させる、電源スイッチをオフにする、弁を閉めるなどの動作を行わせるとすると、出力デバイスが必要となります。

コンピュータ(マイコン、シングルボードコンピュータなど)は、センサー信号の取込み、処理、外部との送受信、出力デバイスへの出力などを行います。 これまでは主にマイコンが使用されてきましたが、最近はそこそこの性能の CPU を持ち、I/Oポートやネットワークインターフェースなどを備えたシングルボードコンピュータが利用可能となっています。 Linuxや Windows などの OS が搭載されているため、ハードウェアの経験の無いソフトウェア開発者にも扱いやすくなっています。 Arduino、 Raspbery Pi、Beagle Bone Black、Intel Edisonなどの製品があります。

ここまでが基本事項になります。次に、簡単な例として、IoTデバイスがエリアネットワークを介することなく、直接インターネットに接続されるケースを考えてみましょう。すなわち、センサー信号がゲートウェイ(前述のコンピュータの役割を果たします)を介してサーバーに送信され、また、サーバーからの信号はゲートウェイを介してアクチュエータに制御信号として伝えられる構成です。

Argoculusでは、これらの処理を行うため、ゲートウェイ(コンピュータ)上で動作するブリッジインターフェースとベースソフトウエアの2種類のソフトウェアを用意しています。ベースソフトウエアはサーバーとの通信を、ブリッジインターフェースはセンサーからのデータ受信やアクチュエータへの送信を行います。ベースソフトウエアについては、ユーザーの方が意識する必要はありません。しかしながら、ブリッジインターフェースは、センサーとゲートウェイ間の接続方法(物理的な接続や通信方法)やデータフォーマットに応じ、それぞれ用意(開発)していただく必要があります。

Argoculusでは、ブリッジインターフェースの定義方法として、以下の3通りの方法が利用できます。
1) アナログ入力用インターフェース
2) JAVAクラス定義
3) 実行プログラム

このうち、アナログ入力のブリッジインターフェースは、弊社のAD変換器Argoculus CONNECTやセンチュリーシステムズ社製のゲートウェイFutureNet MA-E350を用いたアナログセンサーの接続を、プログラミングレスで行うためのものです。電圧値-物理量の関係(変換テーブル)を登録することで、信号を物理量に変換した上で、インターネット経由でセンサーデータの収集、蓄積、閲覧が可能となります。

2)、3)では、それぞれ必要な処理をプログラムとして作成し、それをブリッジインターフェースとして登録します。デジタルセンサーとの接続やエリアネットワークを介したデータの収集を行うような場合には、いずれかの方法でプログラムを製作し登録する必要があります。

少し長くなりましたので、今回はここまでとします。今回の説明のまとめは以下の通りです。

・IoTデバイスはセンサー、アクチュエータ、コンピュータ(マイコン、シングルボードコンピュータ)から構成されます。
・もっとも簡単なIoTデバイスはインターネットに接続されたセンサーです。
・Argoculusでセンサー信号を取り込むには、ゲートウェイ上にブリッジインターフェースを用意する必要があります。
・Argoculusでは、アナログ信号をプログラミングレスで接続することができます。


図1 ゲートウェイに直接センサーとアクチュエータが接続された構成例




図2 Argoculusにおけるゲートウェイソフトウェア

IoTに関するトピック

国際画像機器展(2015年12月2日~4日 パシフィコ横浜)の東芝テリー社様ブースにて、Argoculusを活用した画像認識ソリューションが展示されました。

このソリューションは、生産ラインでの異物検知をテーマとしたもので、東芝テリー社製スマートフォトセンサー(http://www.toshiba-teli.co.jp/products/industrial/sps/sps.htm)により異物検知を行い、その結果をクラウド上のArgoculusサーバーに送信します。 異物を検知すると、クラウド側から高解像度Gig-Eカメラ(http://www.toshiba-teli.co.jp/products/industrial/gige/index_j.htm)にトリガーをかけ、異物を撮影し、その画像をインターネットを経由しサーバーに送ります。 会場では、異物検知の結果や撮影画像が、ブラウザー上でほぼリアルタイムに閲覧できることをデモしました。

ここでは、Argoculusでの通信プロトコルとしてMQTTを活用し、遅延の少ない機器制御を実現しています。 携帯電話通信網(LTE)を経由し、異物検知⇒サーバー蓄積&サーバーからの画像撮影要求⇒画像撮影の一連の処理を300ミリ秒程度で行っています。

本ソリューションは、東芝テリー社様の画像認識ソリューションとArgoculusを組み合わせることで、遠隔地の施設状況のほぼリアルタイムな状態監視をインターネット越しに行うことを示したものです。 さらに、サーバー経由で機器制御(画像撮影)を行うことは、蓄積データを活用した高度な制御ロジックへと拡張することもできます。

ここで、ご紹介したリアルタイム性が、お客様のアプリケーションの要求を満足するものでしたら、Argoculusを用いたIoTソリューションは、施設内に専用機器を設置した従来のFAシステムに比べ、導入期間、コストなどにおいて、より魅力的な提案となるでしょう。 IoTの活用方法についてご参考になれば幸いです。



展示会でのデモシステム