電磁界解析ソフトウェアEMSolution

時間依存の可変抵抗要素

概要

NETWORKに時間依存の可変抵抗要素(VR)を追加しました。解析例として、"電源入力方法"(EMSolution r9.8.2の改良点)で述べましたモデルに対して、可変抵抗要素を追加した場合(Fig.1)を示します。

Fig.1 解析モデル

解説

Fig.1で表される回路は、Table Iのデータで表されます。Table IIには時間依存の可変抵抗要素(VR)の入力書式を示します。抵抗要素(R)では一定の抵抗値(Ω)を入力しますが、可変抵抗要素では、時間変化識別番号(TIME_ID)で抵抗値の時間変化を指定します。Table IIIの様にステップ的に変化する抵抗変化を与えてもかまいません。この例では、時刻0より0.1秒の間は抵抗ゼロ、0.1秒から0.2秒までの間を1kΩとしています。(このデータは"電源入力方法"で用いたスイッチに対するデータと等価です。)もちろん連続的に抵抗が変化する場合も解析可能です。
本例の解析結果はFig.2のようになり、コイルの抵抗、インダクタンスより計算した解析値と良く一致します。

Table I. NETWORKデータ

* NETWORK * REGION_FACTOR * NETWORK 8 * FEM * ID * NODE1 * NODE2 * SERIED_ID * FEM 1 1 2    1 * R * ID * NODE1 * NODE2 * RESISTANCE * R 2 2 3 5.0 * VPS * ID * NODE1 * NODE2 * TIME_ID * VPS 3   3 4 1 * VR * ID * NODE1 * NODE2 * TIME_ID * VR 5   4 1 2 * END NETWORK * END

Table II. 可変抵抗要素入力書式

17.8.15 可変抵抗要素
NameTypeContent
11VRSタイトル
時間依存可変抵抗を表す。
2IDI要素識別番号
3STARTI始点ノード番号
4ENDI終点ノード番号
5TIME_IDI時間変化識別番号
抵抗(Ω)を時間の関数として表す。
時間変化はステップ的に変化させても良い。
S:文字列タイプ  、 I:整数タイプ

Table III. 可変抵抗要素に対する抵抗時間変化データ例

* TIME_ID * OPTION * 2 1 * NO_TIME_POINTS * 4 * Time(sec) * Value * 0.0 0 0.1 0 0.1 1.0e3 0.2 1.0e3

Fig.2 回路電流時間変化

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