EMSolutionでは、電磁力計算は節点力法を用いています(参考文献[1,2])。節点力法は、Maxwellの応力テンソルに、仮想変位を表現する節点形状関数の勾配をかけて積分し、節点にかかる力を出しています。Maxwell応力テンソルは、空気や線形磁性材については明らかなのですが、非線形磁性材に対しては諸説あります。
EMSolutionでは、Maxwellテンソルの表現式として、
を採用しています。磁石等テンソルが対称にならない場合は対称化して使用しております。
ただ、この式はヒシテリスのない非線形材料には使えますが、ヒシテリスや非等方性材料の場合には、疑問があります。
上の積分はいわゆる磁場のco-energy(energyに対して)です。
磁石に対しましては、現状、上の積分を
さて、例としてFig.1の様なモデルを考えます。
解析は並進二次元計算です。
1Tに磁化された磁石が、磁性板
節点力法で求めた、磁性板に働く力をFig.4、5に示します。節点力を要素に働く力に換算しています。Fig.4では、はじめに示した表現式として、磁性体内のMaxwell応力を用いています。Fig.5においては、磁性体内からの電磁応力が無いとしています。トータルの上方向の力は全く同じですが、分布は大きく変わってきます。Fig.4で目立つのは、図で右側の上下の面に働く逆方向の力です。これは、磁性体内の面に沿う磁場が強いために、その拡張力が働くためです。Fig.5では、その力は消え、上面を上方向に引く力となっています。Fig.5の方が直感的には合理的に見えます。
[1]A. Kameari, “Local force calculation in 3D FEM with edge elements”,
International Journal of Applied Electromagnetics in Materials 3, 1993, pp.231-240.
[2] 亀有、”節点力法による電磁力解析”、電気学会、
静止器・回転機合同研究会資料、SA-93-11, RM-93-49, 1993.
[3]今井功、”電磁気を考える”、サイエンス社、1992.
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