導電率は温度依存性があることが知られており,導体の温度に対して導電率を変更して解析する機能を追加いたしました。導電率―温度曲線と要素またはプロパティの温度を設定して渦電流解析を行うことができます。
"バルク導体の直流電流場解析"で使用しました,Fig.1に示す二分岐する導体を模擬したモデルを用いて本機能を説明します。分岐する二つの形状は同じですが,片側が温度上昇するとして導電率を小さくしています。入力電流として分岐前の下面に90Aの直流電流を印加して解析します。Fig.2に使用する温度―導電率曲線を示します。非常に短時間で温度上昇するとしていますが,サンプル計算用ですのでご容赦ください。
Fig.3に時刻0.001秒,0.005秒,0.01秒の電流分布を示します。左側分岐は導電率が変わらないため,徐々に定常状態に近づいているのに対し,右分岐は導電率が変わるため,逆に電流が小さくなっていくことがわかります。
温度依存導電率解析機能では,導電率―温度曲線から内挿して使用します。温度の指定は要素単位,もしくはプロパティ単位で,計算時刻に対する温度を別ファイル「temparature.dat」に設定する必要があります。
簡単ですが,導電率の温度依存解析について紹介しました。本機能はSUFCURを使用したバルク導体の過渡解析に使用することができます。また「定常電流場解析」(Handbook「2.解析の種類」)でもご使用いただけます。基本的には導電率―温度曲線を使用しますが,導電率が温度以外に依存する場合にもご使用いただけるかと思います。
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