無限長ソレノイドコイルの静磁場解析例を示します。本来二次元の解析ですが、xy面内に電流が流れ、一層のメッシュを用いた三次元解析を行います。
無限長ソレノイドコイルの静磁場解析例を示します。本来二次元の解析ですが、xy面内に電流が流れ、一層のメッシュを用いた三次元解析を行います。Fig.1に解析モデルメッシュを示します。二次元メッシュを作成し、z方向に0.01m押し出してソリッド要素としています。無限長ソレノイドコイルの場合は、コイルの外側に磁場が漏れないことがわかっていますので、コイルの外側の空気層のメッシュは不要です。
Fig.2に本解析での境界条件を示します。上下面(z=0,z=0.01)はHt=0の条件を課します。対称面(x=0,y=0)はBn=0とし、コイル外面(r=1.0)にはHt=0の境界条件を課します。コイル外面では磁場がゼロですが、Bn=0の条件を課しますと、その面内での磁気ベクトルポテンシャルがゼロとなり、外周の積分もゼロとなるため、内部の磁束量がゼロという条件が課されてしまいます。
次に、電流ソースの定義ですが、このような不規則メッシュの場合は、SDEFCOIL(表面定義電流)による定義が適しています。Fig.3に定義されたコイル表面メッシュを示します。コイルを囲む4面をそれぞれ違う物性で定義します。面は、コイルに向かって内側向きに方向付けられています。Fig.4にこの定義によるコイル電流密度分布を示します。 Fig.5、6にEMSolutionにより計算された、磁束密度分布を示します。予想された磁場が計算されています。ただ、メッシュのゆがみの大きいところで誤差がみられます。Fig.7に全要素の磁場値と理論値の比較を示します。全体的には、よい一致を示していますが、かなり、誤差が大きくでています。より精度が必要な場合は、メッシュを細かくするなり、要素形状のゆがみの小さいものにする必要があると思われます。
今のような軸対称形状の場合は、軸対称二次元計算でも解析できます。軸対称でない場合でも、本例での解析は適用できます。
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