r10.1.3以前のEMSolutionでは、運動直交方向に閉じたスライド面を使用することはできず、両端を対称面、周期面や外部境界、あるいは円筒座標で中心軸におく必要がありました。この制限がなくなりましたので、報告いたします。
例えば、Fig.1のような可動部が画面の奥側から手前側に運動する場合を考えます。ベースとなる二次元メッシュではスライド面を辺で閉じた円周で表しま す。inputは従来のものと変わりません。二次元メッシュを2D_to_3Dでz方向に拡張して三次元モデルとしますと、スライド面は円筒状になり ます。モデルの上下面を反周期対称と設定します。本モデルは、軸対称であるため二次元計算を行うことができますので、このような360度のモデルにする必 要がありませんが、軸対称性や周期対称性が無い場合も考慮したモデルとしています。 また、円周方向へスライド運動する場合も、従来使用できなかったr-z面で閉じたスライド面を定義できるようになりました。
Fig.2に解析結果を示します。図はモデルの半分を示し、断面がわかるようにしています。静磁場解析を行いましたので、磁場分布は運動に影響されず、変化しません。
現状、EMSolutionでは二方向の周期性をモデル化することができません。また、スライド面を用いた場合、運動方向には周期性が仮定されます。このため、上のモデルで、円周方向に周期性がある場合でも、円周方向に360度のモデルとせざるを得ません。今後、これについても改良していきたいと考えております。
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