一般に電磁場解析では,形状の対称性を利用して全体モデルに対して数分の1の有限要素メッシュを作成します。 有限要素領域にコイルが含まれる場合,CIRCUITやNETWORKの外部回路と接続しますが,その際,回路を全体モデルとして考える,もしくは有限要素領域の部分モデルとして考えることができます。 有限要素領域のコイルに意図したATの電流が流れるようにするために,回路(電源)とコイルとの関係を全体モデルとして考えるか,それとも部分モデルとして考えるかで,電源の設定方法が変わってきます。 回路を全体モデルとして設定する際に,REGION_FACTORが使用できますが,Handbook等では説明が不十分だと思われますので,REGION_FACTORと回路との関連と,直列,並列回路として電流源,電圧源と接続する場合の設定方法について説明致します。 なお,REGION_FACTORは,以下のように考えるとわかりやすいと思われますので,これを前提として説明します。
REGION_FACTOR=1の場合:
部分モデルとして設定する。
REGION_FACTOR>1の場合:
直列接続=全体モデル,並列接続=1並列部分モデルとして設定する。
REGION_FACTORとは,回路に対して有限要素領域を何倍すると,回路と合致するかを設定するものです。具体的に例を示して説明します。
簡単なモデルとして,電気学会モデルの鉄心・コイルモデルを変更したモデルを考えます。Fig.1(a)に全体モデル,(b)に部分モデル(有限要素領域)を示します。鉄心の周りにコイルが上下に2つあるモデルで,部分モデルでは,X=0,Y=0面をBn=0面(鏡面対称面),上下を対称面(Ht=0)として設定し,コイル電流は同方向に流れることを仮定しています。
ELMCURとしてFEMで定義したコイルと回路との関係は,Fig.2のようになります。(a)が2直列回路,(b)が2並列回路で,図中のコイル内の「FEM」は,「コイル」の1/4領域がモデル化されており,4対称分直列接続されていることを表わしています。言い換えると,FEMで定義したコイル(以下FEMコイル)は,(a)では8直列,(b)では4直列2並列されているとも考えることができます。コイル内部抵抗はELMCURに導電率として設定されていますので,部分モデル領域の抵抗がEMSolution内部で計算され,使用されることになります。後ほど別の例題で示しますが,コイル抵抗は外部抵抗として接続することもできます。
■ 直列接続の場合
上下のコイルが直列接続されているとして考えます。印加する電流は部分モデルであっても全体モデルと同じ電流が流れることになります。
部分モデルとして設定することになります。ELMCURによるコイル内部抵抗は,部分モデルでの値として使用されます。
電流源の場合
FEMコイルに印加する電流を設定しますので,CIRCUITのTYPE=0:電流源,もしくはNETWORKのCPSに,印加する電した時間関数を設定します。ouファイルに出力される電圧(Voltage)やコイル鎖交磁束(Flux)は,部分モデルでの値となります。従って,電圧や磁束を全体モデルの値とするには,全体モデルに対する部分モデルの比=8を掛算することで換算できます。
電圧源の場合
FEMコイルに印加する電圧を設定します。この際,部分モデルに掛かる電圧を設定することになりますので,CIRCUITのTYPE=1:電圧源,もしくはNETWORKのVPSに印加する電圧を表現した時間関数を設定します。全体モデルに対する部分モデルの比=8で割算した電圧を設定します。つまり,部分モデル領域に印加する電圧を設定することになります。outputファイルに出力される電圧,磁束は,全体モデルに対する部分モデルの比=8を掛算することで換算できます。
全体モデルとして設定することになります。つまり,FEMコイルが8直列接続していることと同等となります。ELMCURによるコイル内部抵抗はREGION_FACTOR倍された値である全体モデルの値として使用されます。
電流源の場合
REGION_FACTOR=1と同様に,FEMコイルに印加する電流を設定します。CIRCUITのTYPE=0:電流源,もしくはNETWORKのCPSに,印加する電流を表現した時間関数を設定します。 outputファイルに出力される電圧(Voltage)やコイル鎖交磁束(Flux)は,EMSolutionでREGION_FACTOR倍された全体モデルでの値となります。
電圧源の場合
FEMコイルに印加する電圧を設定します。この際,全体モデルに掛かる電圧を設定します。CIRCUITのTYPE=1:電圧源,もしくはNETWORKのVPSに印加する電圧を表現した時間関数を設定します。outputファイルに出力される電圧(Voltage)やコイル鎖交磁束(Flux)は,EMSolutionでREGION_FACTOR倍された全体モデルでの値となります。
Fig.3に,直列接続の場合のREGION_FACTOR=1と8の時の回路とFEMコイルとの関係を示します。REGION_FACTOR=1の場合,FEMコイルに全体の1/8の電圧となり,REGION_FACTOR=8の場合,全体領域に換算した電圧となっていることを示しています。
Table 1に1Aの電流源でCIRCUITを使用したinputファイルの設定例を,Table 2にREGION_FACTOR=1,Table 3にREGION_FACTOR=8のoutput結果を示します。CIRCUITの場合,outputファイルに電源の値が「Power Sources」に出力されます。「Sources」には,FEMコイル,外部抵抗,インダクタンスも含めた値が出力されます。「Internal resistance」は,ELMCURに設定した導電率より計算された内部抵抗で,「内部抵抗×電流」=電圧がREGION_FACTOR=1では1/8,REGION_FACTOR=8で全体の電圧として出力されています。
Table 1 REGIN_FACTOR=1 or 8,電流源の場合のCIRCUITデータ
Table 2 REGIN_FACTOR=1,電流源の場合のoutput結果
Table 3 REGIN_FACTOR=8,電流源の場合のoutput結果
■ 並列接続の場合
上下のコイルが並列接続されているとして考えます。並列接続では,「回路としての直列接続数(REGION_FACTOR) = 全体モデルに対する部分モデルの比 / 並列接続数」の関係を用いて設定します。
部分モデルとして設定することになります。ELMCURによるコイル内部抵抗は,部分モデルでの値として使用されます。
電流源の場合
FEMコイルに印加する電流を設定しますので,CIRCUITのTYPE=0:電流源,もしくはNETWORKのCPSに,全体モデルに印加される電流の1/2の電流を表現した時間関数を設定します。 outputファイルに出力される電圧(Voltage)やコイル鎖交磁束(Flux)は,部分モデルでの値となります。従って,電圧や磁束を全体モデルの値とするには,全体モデルに対する部分モデルの比=8を並列接続数=2で割算した係数=4,つまり1並列接続分の直列接続数を掛算することで換算できます。
電圧源の場合
FEMコイルに印加する電圧を設定します。この際,部分モデルに掛かる電圧を設定することになりますので,CIRCUITのTYPE=1:電圧源,もしくはNETWORKのVPSに印加する電圧を表現した時間関数を設定します。全体モデルに対する部分モデルの比=8を並列数=2で割算した係数=4,つまり1並列接続分を直列接続数で割算した値を設定します。つまり,部分モデル領域に印加する電圧を設定することになります。outputファイルに出力される電圧,磁束は,全体モデルに対する部分モデルの比=8を並列数=2で割算した係数=4,つまり,1並列接続分の直列接続数を掛算することで換算できます。
全体モデルの内,1並列分として設定することになります。つまり,FEMコイルが1並列接続分に相当する4直列接続していることと同等となります。ELMCURによるコイル内部抵抗はREGION_FACTOR倍された値である1並列分としてとして使用されます。
電流源の場合
FEMコイルに印加する電流を設定します。CIRCUITのTYPE=0:電流源,もしくはNETWORKのCPSに,全体モデルに印加される電流の1/2の電流を表現した時間関数を設定します。 outputファイルに出力される電圧(Voltage)やコイル鎖交磁束(Flux)は,EMSolutionでREGION_FACTOR倍された一並列接続分での値となります。outputファイルに出力される電流=印加電流は,全体モデルの1/2の値ですので,並列接続数である2倍して全体モデルの値に換算できます。
電圧源の場合
コイルに印加する電圧を設定します。この際,全体モデルに掛かる電圧を設定します。CIRCUITのTYPE=1:電圧源,もしくはNETWORKのVPSに印加する電圧を表現した時間関数を設定します。outputファイルに出力される電圧(Voltage)やコイル鎖交磁束(Flux)は,EMSolutionでREGION_FACTOR倍された一並列接続での値となります。outputファイルに出力される電流は,全体モデルの1/2の値となりますので,並列接続数である2倍して全体モデルの値に換算できます。
Fig.4に,並列接続の場合のREGION_FACTOR=1と=4の時の回路とFEMコイルとの関係を示します。REGION_FACTOR=1の場合,FEMコイルに全体の1/4の電圧となり,REGION_FACTOR=4の場合,全体領域に換算した電圧=一並列分の電圧となっていることを示しています。
1Aの電流源を2並列接続,つまりコイルに0.5Aを印加し,CIRCUITを使用したREGION_FACTOR=1のoutput結果をTable 4に,REGION_FACTOR=8のoutput結果をTable 5に示します。電圧がREGION_FACTOR=1では1/4,REGION_FACTOR=4で全体の電圧として出力されています。
Table 4 REGIN_FACTOR=1,電流源の場合のoutput結果
Table 5 REGIN_FACTOR=4,電流源の場合のoutput結果
このように,EMSolutionでは,REGION_FACTORを使用することで,直列回路を表現していることがわかります。ただし,電源が二つ以上あり直並列数が異なる場合は,REGION_FACTOR=1とし,部分モデルで考え,それぞれの回路で設定した方がわかりやすく間違いがないかと思います。
並列接続の場合,REGION_FACTORを使用しても,全体モデルに換算した電流値を入出力できませんでした。この度,「REGION_PARALLEL」オプションを新たに作成しまし,並列回路においても電流を全体モデルとして入出力できるようにしました。使用方法は,REGION_FACTORに全体モデルに対する部分モデルの比を,REGION_PARALLELに回路の並列数を設定すると,電源の電流は全体モデルとした値を入出力できるようになります。つまり,電源は全体モデル,コイルや外部抵抗等は1並列分として入出力できます。なお,REGION_PARALLELのデフォルト値は1です。
REGION_PARALLELは,EMSolution内部で上で説明したようなREGION_FACTORの換算を行い,1並列分と同様の計算を行います。つまり,コイルに流れる電流は1/並列接続数で与え,outputに電源は全体モデルの値を出力します。CIRCUITの場合,「Power Sources」には全体モデルの電流,電圧値が,「Sources」には,1並列分のそれらを出力します。上記例の場合,電圧値は「Power Sources」と「Sources」で一致し,電流値は「Sources」が「Power sources」の1/2のとして計算され,出力されます。つまり,REGION_PARALLELを設定する場合,電源の電流は全体モデルの値,FEMコイルや外部回路等の電流は1並列接続あたりの値として出力されます。Table 6にCIRCUITでREGION_PARALLELを使用した例を示します。
Table 6 REGIN_FACTOR=8,REGION_PARALLEL=2,電流源の場合のCIRCUITデータ
Table 7 REGIN_FACTOR=8,REGION_PARALLEL=2,電流源の場合のoutput結果
NETWORKの場合も同様に,outputファイルのCPS,もしくはVPSに全体モデルの電流,電圧値が,FEMやR等に1並列分のそれらを出力します。なお,有限要素メッシュ内に並列接続されるコイルが定義されている場合(上記例だと,Z方向にもメッシュを作成し,1/4モデルとした場合),NETWORK等で直接inputファイルに並列回路を設定してください。
■ 具体例
次に,具体的な例とし,IPMSMである電気学会ベンチマークモデルであるDモデルとD1モデルを用いて説明します。Dモデル,D1モデル共に体格,容量等が同じ4極のモータで,Dモデルが分布巻24スロット4直列接続,D1モデルが集中巻6スロット2並列接続ですので,D1モデルでREGION_PARALLELの使用法を説明します。Fig.5に,二次元有限要素メッシュを示します。Dモデルは1極分90度モデル(1/4),D1モデルは2極分180度モデル(1/2)となっています。どちらも三相交流がY結線されて印加されます。1,500$min^{-1}$(50Hz)定格速度時の,無負荷誘起電圧,電流源による定格通電条件での解析について,NETWORKを用いて示します。参考までに,Dモデルの三次元メッシュとU相コイルモデル例をFig.6に示します(コイルはCOILでモデル化しています)。
部分モデルは6スロットですので,1相2スロットとなります。全体モデルで24スロットで1相当たり4コイル直列接続ですので,REGION_FACTOR=4とします。これは,Fig.6に示す三次元モデルがイメージしやすいかと思います。二次元モデルでは,FEMコイルにはPHICOILを用い,1相当たり2スロット分を同じPHICOILとして定義しています。これにより,2スロットのコイルは直列接続されていることと同等となります。コイル抵抗は外部抵抗Rとし,一相分の値をそれぞれの相に設定します。電源としてCPSを設定します。
CPSに設定する時間関数IDを0,もしくは時間関数で振幅が0になる関数IDを設定すると,電流=0A,つまり回路を解放したことと同等として解析できます。なお,FEMコイルの誘起電圧を計算するには,過渡解析(Transient)が必要です。無負荷誘起電圧は,部分モデルの誘起電圧がREGION_FACTOR倍された全体モデルの値としてoutputファイルに出力されます。
CPSに設定する時間関数に,定格電流である3Arms×$\sqrt{2}$を振幅とし,電流進角を25度として三相交流を設定します。部分領域の電圧がREGION_FACTOR倍された全体モデルの値としてoutputファイルに出力されます。
なお,トルク(や鉄損)は,部分モデルの値として出力されますので,全体モデルに対する部分モデルの比倍,本モデルではREGION_FACTORと同じ4倍して全体モデルの値に換算してください。
Table 8に電流源による定格通電条件でのinputファイル設定例を示します。Y結線していますので,中性点を結ぶ非常に大きな抵抗を設定する必要があります。UVWには,3A×$\sqrt{2}$を振幅に,電流進角として位相を25度入力しています。Tabe 9にoutput出力を示します。UVWコイルには,電圧(Voltage)と鎖交磁束(Flux)が出力され,UVW電源の電圧には,コイル+外部抵抗の値が出力されます。
Table 8 Dモデル REGIN_FACTOR=4,電流源の場合のNETWORKデータ
Table 9 Dモデル REGIN_FACTOR=4,電流源の場合のoutput結果
部分モデルは3スロットですので,1相1スロットとなります。それぞれUVW相として設定します。全体モデルでは6スロットですが,2並列接続ですので,「回路としての直列接続数(REGION_FACTOR) = 全体モデルに対する部分モデルの比 / 並列接続数」より,REGION_FACTOR=1とします。もしくは,REGION_PARALLEL=2とし,REGION_FACTOR=2:全体モデルに対する部分モデルの比とすることでも可能です(r10.4.2以降)。これにより,FEMコイルは相毎に2並列接続されていることと同等となります。電源としてCPSを設定します。
設定方法は,Dモデルと同じです。無負荷誘起電圧は,部分モデルの誘起電圧=全体モデルの誘起電圧としてoutputファイルに出力されます。
REGION_FACTOR=1とした場合,コイルには定格電流の1/2の電流が流れることになりますので,CPSに設定する時間関数に,定格電流である4.4Arms×$\sqrt{2}$の1/2を振幅とし,電流進角を20度として三相交流を設定します。電圧は無負荷誘起電圧同様,全体モデルの値として,電流は,コイルに流れる電流=設定した全体モデルの1/2電流がoutputファイルに出力されます。REGIN_FACTOR=2,REGION_PARALLEL=2とした場合,CPSに設定する時間関数に,定格電流である4.4Arms×$\sqrt{2}$を振幅とし,電流進角を20度として三相交流を設定すると,FEMコイルには1/2の電流が流れるとして解析されます。電圧は無負荷誘起電圧同様,全体モデルの値として,CPSの電流値は設定した定格電流値,FEMやRの電流値は定格電流値の1/2の電流がoutputファイルに出力されます。
なお,トルク(や鉄損)は,部分モデルの値として出力されますので,全体モデルに対する部分モデルの比=2倍して全体モデルの値に換算してください。
Table 10に電流源による定格通電条件でのinputファイル設定例を示します。Dモデル同様にY結線していますので,中性点を結ぶ非常に大きな抵抗を設定しています。 UVWには,4.4A×$\sqrt{2}$を振幅に,電流進角として位相を20度入力しています。Table 11にoutput出力を示します。コイル,外部抵抗の電流には1並列分の電流値が,電源には全体の電流値が出力されます。
Table 10 D1モデル REGIN_FACTOR=4,電流源の場合のNETWORKデータ
Table 11 D1モデル REGIN_FACTOR=4,電流源の場合のoutput結果
三次元解析を行う場合,Dモデル,D1モデル共に,軸方向1/2モデルとなります(DモデルはFig.6を参照)。これは,埋込磁石が軸方向に一枚であるためです。軸方向1/2ですので,Dモデル,D1モデル共にコイルが直列接続されると考えることができます。従って,DモデルではREGION_FACTOR=4×2=8に,D1モデルではREGION_FACTOR=2,REGION_PARALLEL=1もしくは,REGION_FACTOR=4,REGION_PARALLEL=2となります(r10.4.2以降)。
このように,有限要素メッシュにFEMコイルを設定する場合,部分モデルが全体モデルの何分の1かであるかと,並列接続数が幾つであるかを設定することで,コイルの直列,並列接続を表現できます。
■ COIL(外部電流磁場ソース)の場合
外部磁場ソースであるCOILでは,モデルの対称性を使用して設定することができないため,モデル化は全体モデルとして作成しますが,回路との関係は有限要素メッシュ領域で考えます。
例として,Fig.1で示した鉄心,コイルモデルをCOILによりモデル化してみます。Fig.7に有限要素メッシュとCOILを示します。コイル抵抗は外部抵抗として入力します。
直列接続の場合は,ELMCURと同様に考えることができます。なお,コイル抵抗は,REGION_FACTOR=1の場合は部分モデルの値を,REGION_FACTOR=8の場合は全体モデルの値を入力します。
並列接続の場合,回路図でイメージするようにCOILをSeriesで分けて結線することはできません。なぜならCOILはメッシュの対称面以降は考慮されないためです。本例の場合,COILに鎖交する磁束は,FEM領域のみが考慮されることになります。よって,メッシュの対称面側にあるCOILの鎖交磁束はゼロとなってしまいます。そこで,二つのCOILを1Seriesとして直列接続し,REGION_FACTORで並列接続を考慮します。
上下のコイルが並列接続されているとして考えますが,COILは1Series,もしくは回路で直列接続します。並列接続を意味するために,ELMCUR同様「回路としての直列接続数(REGION_FACTOR) = 全体モデルに対する部分モデルの比 / 並列接続数」の関係を用いて設定します。
REGION_FACTOR=1の場合
部分モデルとして設定することになります。コイル抵抗は外部抵抗として,部分モデルでの値を入力します。
REGION_FACTOR=4の場合
全体モデルの内,1並列分として設定することになります。COILの場合,並列接続をREGION_FACTORで考慮します。コイル抵抗は外部抵抗として,REGION_FACTOR倍された値=1並列分を入力します。
REGION_FACTOR=8,REGION_PARALLEL=2の場合
前述したように,電源を全体モデル,それ以外を1並列分として扱います。コイル抵抗は外部抵抗として,REGION_FACTOR倍された値=1並列分を入力します。
このように,メッシュの対称面以降にCOILがある場合でも並列接続を行うことができます。なお,変圧器でコイルは並列接続で二次抵抗を模擬する場合,二次抵抗の値を1並列分に換算して入力する必要がありますのでご注意ください。
前述したように,REGION_PARALLELを使用すれば,REGION_FACTORを直列,並列回路換算したり,電流を並列換算することなく設定,出力できます。また,output出力で並列接続の換算をする必要がなく,電源とコイルに流れる電流の関係から並列接続されているかの確認もできます。本機能はCIRCUIT,NETWORK共に使用でき,STATIC,AC,TRANSIENT解析において,電流源,電圧源全てで使用できます。REGION_FACTORには全体モデルに対する部分モデルの比を設定し,並列数をREGION_PARALLELに設定します。なお,REGION_PARALLELはデフォルトで1となります。解析結果は,電源は全体の電流値が電源以外は1並列分の電流値が出力されます。
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