外部コイルとしてCOILを使用する場合,COIL定義領域を変形ポテンシャル領域,導体や磁性体をトータルポテンシャル領域として指定する必要があります。 さらに,Fig.1に示すような磁性体の電磁力を計算する場合,磁性体から一層外側の空気領域までトータルポテンシャル領域として定義する必要があります。 この場合,EXTEND_TOTALオプションによりトータルポテンシャル領域を一層拡張することができますが,磁性体とCOILが近接している場合,EXTEND_TOTALオプションによりCOILにかかるトータルポテンシャル領域があるかを確認する必要があります。 この度,COILを使用した場合はデフォルトでt_r_interfaceファイルにトータルポテンシャル領域と変形ポテンシャル領域の境界を出力する機能を作成しました。
さらに,ポスト処理用メッシュデータファイルであるpost_geomへのCOILメッシュの出力有無のオプションCOIL_OPTIONも追加いたしました。
加えて,出力ファイルオプションとしてNO_OUTPUT_MATSにて指定したプロパティのみポストデータのファイル出力を行うことができましたが, post_geomにも適用することができるようになりました。
Fig.1に示す,EMSolutionベンチマークテストで採用しているTEAM Workshop Problem20のプランジャーモデルを使用し紹介します。 磁極にコイルが巻かれ,コイルはCOILで定義されています。 本ベンチマークモデルは電磁力検証用モデルですので,節点力(NODAL_FORCE)にて電磁力を出力していますが,磁性体以外の空気は全て変形ポテンシャル領域としていますので,EXTEND_TOTALオプションを使用しています。 Fig.2にt_r_interfaceファイルに出力されたトータルポテンシャル領域と変形ポテンシャル領域の境界面とCOILを示します。 境界条件面を除く領域で,トータルポテンシャル領域と変形ポテンシャル領域の境界面が面要素で出力されており,COILと交差していないことが確認できます。 なお,t_r_interfaceファイルにはCOIL_OPTIONのOnOffに関わらず,常にCOILメッシュが出力されます。
これらより,三次元解析では,これまでの入力方法である節点番号入力,線要素入力と同様に,面要素入力でも鎖交磁束と平均磁束密度,加えて定義面の磁束密度の法線成分を出力することができることを示せたと思います。 さらに二次元解析でも定義面の法線方向の磁束密度を算出できることが示せたと思います。 これらはポストデータよりポスト処理ソフトウェアを使用しても算出することはできると思いますが,それよりは簡便に得られるますので,ご使用いただければと思います。
この先は会員の方のみご覧いただけます。
©2020 Science Solutions International Laboratory, Inc.
All Rights reserved.