電磁界解析ソフトウェアEMSolution

非線形静磁場解析

概要

"ELMCUR(要素電流ソース)を用いた静磁場解析" で使用したモデルにおいて鉄芯に非線形特性を入れます。

解説

メッシュファイルpre_geom2D.neuおよび2D_to_3Dは同じものを使用します。inputファイルに鉄芯のB-H特性を入力し実行します。4ステップの励磁状態について解析します。
Fig.1にコイル電流が6kATと60kATにおける磁束密度の強度分布を示します。励磁電流が10倍になっているにも係わらず、飽和のため磁場は一様化され、最大値は10倍にはならず、非線形特性がでています。また、磁場が集中するところでは、磁気飽和が起こり、集中が少なくなります。

Min : 0.043 T , Max : 0.32 T
(a) 6000AT

Min : 0.54 T , Max : 2.10 T
(b)60000AT

Fig.1 鉄芯内の磁束密度強度分布

Fig.2に繰り返し計算の収束状況を示します。このグラフは画面に表示され、また数値はファイルcheckに出力されます。ステップの繰り返し内に、非線形収束の繰り返しがあり、その内側にICCG法の繰り返しがあります。1回のICCGの収束は、最初の誤差にICCG_CONV/NON_LINEAR_CONV(今の場合1/1000)を掛けた値まででICCG反復計算を打ち切り、非線形反復計算に移ります。非線形反復計算は誤差がNON_LINEAR_CONV以下になった段階で、ICCGの繰り返しを行った後、打ち切られます。このとき、ICCGの誤差はICCG_CONV以下になります。
この例の場合ICCGの繰り返しは収束条件を満たすまで収束してますが、収束せずに発散する場合があります。この場合、DEV_FACTOR, DEV_ITERATIONで制限される回数まで反復計算が行われますが、その収束値として誤差が一番小さい時点の解を取り、次の非線形反復計算に移ります。

Fig.2 ICCG法と非線形繰り返しの
収束状況

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