概要
EMSolutionの回路網NETWORKにおいて、非線形要素のI-V特性をテーブル入力できるようにしましたので、報告します。
解説
従来、非線形要素として、ダイオードタイプ1、2とI-V特性を数式で入力するものがありました。
プランジャの運動解析に用いたダイオードモデルを例として説明します。 Fig.1~3に同じモデルですが、3種の入力方法を示します。青色で示された部分がダイオードタイプ2による入力で、パラメータとしてV0とI0があります。赤色で示される部分は同じモデルを数式で表したものです。 テーブル入力では、まずNETWORKデータ内にTABLEデータを入力します。テーブル数を入力した後、テーブルのIDおよび点数、電流、電圧を入力します。ここでのデータは上の数式入力のものを単純に数値化したものです。
* TABLE * NUMBER *
TABLE 1
* ID * NO_DATA *
1 34
* CURRENT * VOLTAGE *
-0.0016 150.560517
-0.0008 70.560517
-0.0004 30.560517
-0.0002 10.560517
-0.0001 0.560517
-0.00009 0.230259
-0.00008 0.160944
-0.00007 0.120397
-0.00006 0.091629
-0.00005 0.069315
-0.00004 0.051083
-0.00003 0.035667
-0.00002 0.022314
-0.00001 0.010536
0 0.000000
0.01 -0.461512
0.02 -0.530330
0.03 -0.570711
0.04 -0.599396
0.05 -0.621661
0.06 -0.639859
0.07 -0.655251
0.08 -0.668586
0.09 -0.680351
0.1 -0.690875
0.2 -0.760140
0.3 -0.800670
0.4 -0.829430
0.5 -0.851739
0.6 -0.869968
0.7 -0.885381
0.8 -0.898732
0.9 -0.910509
1.0 -0.921044
* TAB * ID * NODE1 * NODE2 * TABLE_ID *
TAB 4 1 4 1
Fig.1 非線形要素の入力 テーブル
* DIODE * ID * NODE1 * NODE2 * V0 * I0 *
D2 4 1 4 0.1 0.0001
Fig.2 非線形要素の入力 ダイオードタイプ2
* EQ * ID * NODE1 * NODE2 *
EQ 4 1 4
* FUNCTION V(I), I(A), V(V) *
V0=0.1;
I0=0.1e-3;
IL=I0*(-0.99);
[I <= IL] V1(I)=-V0*( (I-IL)/(IL+I0) +log((IL+I0)/I0) );
[IL < I] V2(I)=-V0* log((I+I0)/I0 );
V(I)=V1(I)+V2(I);;
Fig.3 非線形要素の入力 数式
上の、プランジャの運動解析において、Fig.1,2に数式入力とテーブル入力で解析した時の電流、電圧の時間変化を示します。結果はほぼ重なっています。電圧が負が順方向としていることに注意ください。 プランジャ位置の変化はほとんど一致しています。
Fig.4 ダイオード電圧波形
Fig.5 ダイオード電流波形
ダウンロード
解析モデル
・ input_Table.txt テーブル入力
・ input_D2.txt ダイオード入力
・ input_EQ.txt 数式入力
・ pre_geom2D.neu メッシュファイル