EMSolutionでは従来から任意断面の通過電流量出力機能としてCUR_FLUXオプションがあります。しかしながら,例題がありませんでしたので,"直流電流場解析"のモデルを用いて紹介いたします。なお,"直流電流場解析"でもCUR_FLUX機能を用いて通過電流量出力を算出しています。CUR_FLUXオプションは交流定常解析や過渡解析でも使用できます。
Fig.1(a)と(b)に示す,二分岐する導体を模擬したモデルを用いて説明します。Fig.1(a)は"直流電流場解析"と同じHalfモデルで,(b)はY方向にメッシュを鏡面コピーしたFullモデルです。どちらも解析条件は"直流電流場解析"と同じで,分岐する二つの形状は同じですが,片側の導電率を1/2にしています。すなわち,抵抗が2倍になることと等価になります。入力電流として分岐前の下面に90Aの直流電流を印加して解析します。
分岐先の通過電流量を「通過電流計算面」機能を用いて算出すると,ほぼ1対2の割合の電流が通過していることが確認できます(Table 1)。当然ですがHalfモデルとFullモデルで通過電流量が一致しています。
右分岐 | 左分岐 | |||
---|---|---|---|---|
モデル | Half | Full | Half | Full |
通過電流量 | 30.66A | 30.66A | 59.34A | 59.34A |
簡単ですが,任意断面の通過電流量出力機能について紹介しました。通過電流量が必要となる解析対象,例えばバルク導体解析や三次元誘導機解析のロータバーとエンドリングの電流量の出力等にお使いいただければと思います。
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